
当教室では導入〜初級期(バイエル修了程度・ブルグミュラー前後)まで、個々の生徒に合わせて様々な教材を使用しています。
このページでは、よく使用される教材とその特徴をご紹介します。

メイン教材:ヤマハの教本(なかよしピアノ・ピアノスタディ・オルガンピアノの本)
対象年齢・進度
未就学児〜小学校中学年まで。進度に応じて、3つのシリーズを使い分けます。
なかよしピアノ・ピアノスタディ
ヤマハPSTA(指導者認定制度)を修了した講師が、演奏グレードやコンサートグレードを視野に入れた一貫したカリキュラムで指導しています。
全編カラーで視覚的にも分かりやすく、特に「中央ド」一辺倒にならず、早い段階でヘ音記号(左手)の読譜や、Cポジションでの両手演奏を取り入れる点が大きな特長です。
クラシック曲からポピュラー・童謡まで、幅広いジャンルを取り入れており、音楽的な好奇心を育てながら、着実にスキルアップできます。
オルガンピアノの本
・なかよしピアノ/ピアノスタディは、比較的ゆったりとした進行。しっかりと基礎を固めたい方向け。
中央ドから音域を広げて学びますが、ポジション移動の曲が多め、最初から両手で演奏します。
・オルガンピアノの本は、進度がやや早く、少ない曲数で次々に新しい要素を学べます。
中央ドから音域を広げて学び、最初から両手で演奏します。
シリーズごとに難易度や学習順が少しずつ異なるため、必要に応じて巻数をまたいで併用します。
自然な形でブルグミュラー程度へ進級できるようカリキュラムを調整しています。
難易度イメージ
なかよしピアノ1・2 < オルピ1 < ピアスタ2=オルピ2 < ピアスタ3=オルピ3 < ピアスタ4・5 < オルピ4
メイン教材:ぴあのどりーむ
対象年齢・進度
導入〜初級前半。主に年少〜小学校低学年の初心者に適しています。
特徴と指導方針
永田萌さんのやわらかなイラストと親しみやすい曲で、ピアノが初めてのお子さまも楽しく学習を始められる定番教材です。特徴は「ゆっくり丁寧な進行」と、「反復練習」を重視している点。各巻で扱う音域をあえて狭めており、読譜や鍵盤の位置感覚が着実に身につくよう設計されています。
クラシック曲よりも、童謡やオリジナルの楽しい曲が中心で、演奏だけでなく“音楽を楽しむ力”も育みます。
使い分けのポイント
全6巻まで進めることも可能ですが、3巻~4巻あたりで他教材に移行することで、読譜や音楽的表現の幅をより広げることができます。
メイン教材:ピアノひけるよジュニア
🔹 対象年齢・進度
主に年中~年長の未就学児向け。歌や身体表現が好きなお子さまにおすすめです。
特徴と指導方針
童謡・ポピュラー曲が中心で、「知っている曲を使って学ぶ」アプローチが得意な教材です。
音域は中央ドから上下5音と限定的ですが、音感・歌唱・弾く楽しさのつながりを自然に感じられる構成となっており、音楽との最初の出会いにぴったり。
1巻は全編カラー、2巻以降は白黒になりますが、イラストや構成は子どもの集中力を保ちやすいよう工夫されています。
使い分けのポイント
このシリーズも、後半まで続けるとやや内容が偏りやすくなるため、2巻で他教材に切り替えていく方針をとっています。
メイン教材:ピアノ・アドベンチャー(ベーシック・シリーズ)
対象年齢・進度
年中〜小学生以上。
音楽経験ゼロの初心者から、初級後半〜中級初期(ブルグミュラー前程度)まで。
特に「音楽を楽しく学びたい」「表現力を大切にしたい」というお子さまにおすすめです。
特徴と指導方針
アメリカ発の教材で、近年国内外で非常に評価の高いシリーズです。
最大の魅力は、音楽的な感性・表現力・リズム感・読譜力・テクニックなどを総合的に育てられる点です。
- 1冊ごとに「レッスンブック」「テクニック&アーティキュレーション」「パフォーマンスブック」など複数の教材で構成されており、それぞれの角度からアプローチ。
- 伴奏音源(オーディオ)付きで、音楽的イメージを持ちながら演奏する練習が可能。
- 曲のジャンルは多彩で、クラシック、ブルース、ロック、フォークなど様々な音楽スタイルに触れることができます。
このシリーズは、単に「弾けるようになる」ことを目的とせず、音楽そのものを深く味わう力を育てるため、当教室でも大変重宝しています。
使い分けのポイント
英語がベースの教材ですが、日本語訳付きバージョンが出版されており、英語が読めなくても安心して学習できます。進度は比較的ゆるやかで、曲の数も多いため、じっくりと音楽力を育てたい方に最適です。
他の教材と比較して、楽典的な基礎力を体系的に養成することに重点を置いた教材です。
詳しくはブログ記事をご覧ください。
メイン教材♪その他
ぴよぴよピアノ(サーベル社)
導入期に、音符への親しみを持たせたいときに活躍する教材です。特に未就学児の生徒様に向けて、色音符や視覚的なアプローチで楽しく学べるよう工夫されています。
・白黒の楽譜が中心ですが、塗り絵のように彩色したり、カラーペンで書き込んだりすることで「自分だけの楽譜」を作る感覚を味わえます。
・導入ワークブックも併用しながら、楽譜の基礎やリズムの理解を自然に身につけることができます。
音符に対して抵抗があるお子さまや、視覚的に学ぶのが得意なお子さまに特におすすめです。
バスティンシリーズ(東音企画)
バスティンシリーズの中でも、オールインワンは特に「忙しい方」や「効率的に音楽を学びたい方」にぴったりの教材です。
・【メイン曲(レパートリー)】【テクニック】【セオリー(楽典)】【視唱・聴音・ワーク】の要素がすべて詰まっており、多面的な音楽学習が可能です。
・早い段階から コード(和音)の学習が取り入れられているため、伴奏づけや即興演奏の基礎力を養えます。
・中学生や大人の初心者の方にも無理なく取り組める構成で、進度の調整がしやすく、学び直しの教材としても優秀です。
また、バスティンシリーズは、演奏音源(CD・アプリ)も充実しており、自宅練習の質を高めてくれます。
ピティナ・ピアノステップや各種コンクールの課題曲にも採用されていることが多く、本格的な目標を見据えながら学ぶことができる点も魅力です。
その他の教材:ソルフェージュ(リズム)
リズムとソルフェージュシリーズ:導入第1回目のはじめてレッスンからブルグミュラー前半レベルまで使用できる万能教材です。
当教室では、こちらの教本は宿題ではなく教室でのレッスン時に使用しています。
全4巻、2巻または3巻まででこの本は卒業です。
その他の教材:ソルフェージュ(聴音)
バスティン・ピアノパーティーシリーズ:ピアノパーティーシリーズは元々3冊1セットで使用する教材ですが、当教室では補助教材として単独で使う時があります。指番号の定着、音の高い・低い・上がる・下がるの理解、音の順番や鍵盤の位置、音符の長さや名前の理解、簡単な作曲まで、あらゆることを楽しく学ぶことができます。
導入期のレッスンではとにかくやることがたくさんありますが、その中の一部の時間を使ってぜひ取り組みたい教材です。
その他の教材について、まとめ
■ メイン教材(導入〜初級)
教材名 | 特徴 | 対象・レベル感 |
---|---|---|
なかよしピアノ/ピアノスタディ(ヤマハ) | ヤマハ演奏グレード対応、カラー譜面。両手のCポジションから、他のポジション移動までの進行が早め。 | 年中〜小学生初級、ブルグミュラー前程度まで |
オルガンピアノの本(ヤマハ) | カラー譜面。両手奏から始まり進度がやや早め。クラシック多め。 | 中級教材への効率的な橋渡しに |
ぴあのどりーむ(学研) | 親しみやすいイラスト、反復重視。 | ゆっくり進みたいタイプのお子さま向け |
ピアノひけるよジュニア(ドレミ楽譜) | 歌遊びを経て自然に学ぶ構成。 | 未就学児〜歌好きのお子さま向け |
ピアノ・アドベンチャー(輸入教材) | ストーリー性と感情表現・楽典学習の両立。 | 初心者〜ブルグミュラー程度まで、海外教材に興味のある方にも |
バスティン(東音企画) | 楽典・テクニック・演奏曲など様々。和音学習が早期にあり、効率よく多方面の力を養える。 | 小学校高学年~中学生〜大人、短期間で総合力を伸ばしたい方におすすめ |
■ メイン教材(補助・単独使用向け)
教材名 | 特徴 | 対象・活用例 |
---|---|---|
ぴよぴよピアノ(サーベル社) | 色音符・書き込み自由で楽譜への親しみを育てる。 | 導入期・未就学児の導入用 |
バスティンシリーズ(東音企画) | テクニックだけやパフォーマンスだけなど、単品使いが可能。コンクールの課題曲にも多く選ばれ、音源も充実。目的に合わせて柔軟に選べる。 | 初心者から中級者まで、目的別の部分的な教材利用に最適 |
■ 補助教材(ソルフェージュ)
教材名 | 内容 | 使用方法 |
---|---|---|
リズムとソルフェージュ(音楽之友社) | リズム感・音価・拍感の強化。 | レッスン内で使用(宿題には出しません) |
バスティン・ピアノパーティー(東音企画) | 音高・指番号・鍵盤感覚・作曲まで。 | 一部教材を単品で補助教材として活用 |
ブログにて色々な教材研究を続けています。ぜひご覧ください。