ピアノアドベンチャー(ベーシック・シリーズ)
指導者の目線から教本をレビューしています。
教本選びの際に参考にしてくださるとうれしいです。
教本の概要
ピアノアドベンチャー(ベーシック・シリーズ)は、初めてピアノに触れる初心者から、高度な技術を目指す上級者まで、幅広いレベルの学習者に向けた内容が用意されています。元は海外出版で、日本語に訳された教本としては、バスティンのオール・イン・ワンシリーズに並びます。
バスティンの上記シリーズは導入段階から10冊の課程を踏む一方で、ピアノアドベンチャーのベーシック・シリーズは、5冊を終えるとブルグミュラーを弾くことが出来るレベルまでステップアップが可能です。

レベル1のレッスン&セオリー(メイン教本)と、テクニック&パフォーマンス(サブ教本)のサンプルページです。レベル3までは全ページカラーで描かれており、絵柄も可愛すぎないので年齢を選ばずどなたにも使っていただきやすい印象です。(画像は公式ホームページより)
この本のメリット
- 海外の音楽文化に触れる
- 学習の進度別カスタマイズが可能
- 英語版で新たな学習の可能性が生まれる
この教材は、クラシック曲のほか、アメリカの音楽文化を反映した多彩な楽曲が収録されていることが大きな特徴のひとつです。唱歌やポピュラーソング、現代的なジャズやブルースのビートなど、様々なスタイルを楽しみながら学ぶことができます。
また、ピアノアドベンチャー(ベーシック・シリーズ)には、メインの教本に加えて、セオリーやテクニックなどを細かく分類した補足教材も用意されています。生徒様は自分のニーズに合わせて、必要な単元を組み合わせて学習することができます。
小学生中学年以上〜、または高学年からピアノを始める生徒様には、英語版の教本を選ぶことで、初級の内容であっても子供っぽさを感じずに、より大人びた気分で練習に取り組むことが可能です。また、簡単すぎるピアノの内容に対する抵抗感も薄れ、モチベーションを保ちながらステップアップしていけるでしょう。
英会話を習得している生徒様にとっては、英語版の教本が新たな興味を刺激する要素を提供します。たとえば、「四分音符」や「ト音記号」といった楽典の用語は、英語でどのように発音されるのかという点に興味が湧くでしょう。英語の知識を音楽と結びつけながら学ぶことで、新しい発見が得られ、学習が一層楽しくなること間違いありません。
この本のデメリット
- このシリーズのみを使うと、少なからず学習内容に偏りが生まれる(クラシック曲が少ない)
- ユニット(各章)ごとに学ぶ内容が多すぎる
- よく考えて勉強する傾向が強い
前述のバスティンの教本でも同じことが言えますが、ヤマハの教本(ピアノスタディ、オルガンピアノの本)と比べると、ピアノアドベンチャーシリーズはポピュラー音楽が多く収録されているため、バランスよくカリキュラムを組む際には別教材の併用が肝要です。また、「転調しよう」「自分で創作してみよう」など各ページに学習内容が濃く書かれており、進度によっては適宜スキップする方が良いかもしれません。この教本のシリーズは、まるでゲームのような「やり込み要素」を存分に味わうことができて、熱心な生徒様にとっては、充実感ある学びが得られる教本と言えます。
結論
ピアノアドベンチャー(ベーシック・シリーズ)は、幅広いレベルの学習者に対応し、日本の教本とはまた異なったアプローチから音楽を学ぶことができる教材です。
英語版の教本も用意されており、生徒の好奇心を刺激する新しい方法で学ぶことができます。